第2話 ルーバーから風の流れを意識

ルーバー開閉で光を取り入れたり、遮ったりする一連の仕組みをつくってくれないかということで、その装置を試作し、製品化した。愛知県立芸術大学視聴覚教室の天窓のルーバーだった。そしてこれが奥村先生と最初にした仕事だった。
 


愛知県立芸術大学視聴覚教室の天窓のルーバー 断面図 (有)木曽三岳奥村設計所図面より引用

 空気の流れと言えば、床下に設けるダクトで温風を送るセントルヒーティングのシステムがオーストラリアにあった。おもしろいと思ったが、日本の住宅の床下にはダクトスペースが設けられないし、通気口があるので断熱性を確保できない。通気口がない床下なら空気を直接送り込めるのになあと考えていた。こうしたぼくの思いと奥村先生から聞いた建築基準法の例外措置で通気口なしの床下も実現できるという話が重なり合った。