第7話 制御らしい制御

”お蚕さん”を導入した北海道の和田弘さんから「日中は集熱して順調だったが、翌朝になるとものすごく寒い」という連絡があり、すぐに奥村先生が釧路へ飛んで行った。

軒先から入った風でいとも簡単に重力ダンパーが押し込まれ、冷気が家の中に入り込み、一晩で蓄熱がなくなってしまうという現象だった。

奥村先生から「友さん、例のダンパーモーターか何かでダンパーがぴたっと止まる仕組みを考えてくれんか」とFAXが入り、これを機に重力ダンパーの改善がはじまった。

和田さん、奥村先生と意見を交わしながらあれこれ試し、1週間ほどで完成させて釧路へ送ることができた。「うまくいきました。外は風が強いですが、冷気はぜんぜん入ってきません。あったかい風がどんどんきます。」と和田さんから電話がきたときには涙が出るほどうれしかった。

こうして、ある温度になったらぴたっと開閉するダンパーモーター装置が「お蚕さん」に付加された。

その後、入口ダンパーすべてをモーターでやろうということになり、ダンパーモーターのON、OFFを制御するきちんとした制御盤をつくったが、それが旧制御盤だ。

また、ファンのスピードを制御するスピードコントロ-ラーを取り入れた。温度スイッチとスピードコントロ-ラーが納まった箱は、はじめて制御らしい制御をするようになった。

 

 

(旧制御盤)