第12話 ≪そよ風≫はシンプル
このように技術と工夫を積み重ねてソーラーシステムを進化させてきたけれど、奥村先生と同じくぼくも、このような技術の結晶を限られた人だけのものにすることには反対で、だれでも自由に使ってもらうことを理想としてきた。 しかし、現実は特別なグループだけが使うというクローズドされた技術となってしまった気がしていた。 一介の技術屋としては、どんなに技術と工夫を積み重ねたものであっても終わりということはなく、ここはもっとこうすればいいのではと、アイディアは次から次へと浮かんでくる。 でも、新たに生まれる技術を特定の組織だけの独占とするのはご免だと思った。 ・素直にソーラーシステムを面白いと思う人 ・自分の仕事に責任の持てる人 ・ざっくりと大らかに省エネとか環境とかを捉えられる人 ・ソーラーシステムを飾り物にしない人 ・偽りのない”あたり前の家”をつくれる人 そんな人なら誰でも使えるシステムとして《そよ風》を新たに考えた。 また、そのシステムを販売する会社として環境創機株式会社を新たに設立した。 ・「夏涼しい家」にするというのは重要なテーマ。 ・そして工務店が扱いやすく簡単なものにするというのも大きなテーマ。 ・工務店が家を建てると何十年も面倒を見なければいけない中で簡単にメンテナンスできるだろうか? ・その方法は? ・それを工務店ができるのか? ・互換性は? ・安心感は? ・使いやすさは? トモスや環境創機そのものは小さな存在だけれど、時間と情熱をかけ、たくさんの現場からの声を聞き入れて、考えうる最高の水準のものをつくり続けてきたが、その集大成が《そよ風》である。
しかし、技術の開発に終わりはない。 新たな工夫を考え続ける毎日が続く・・・